店舗まるごとリースはこう使え!
キャッシュ温存で人と組織の成長を加速
表参道、銀座、渋谷、さらにはマニラ、バンコクへ――「NORA」はどのように10店舗以上を展開し、独自のブランドを築いてきたのでしょうか。今回は、株式会社NORA代表の広江一也さんと、財務戦略を担う執行役員の滝田太郎さんにお話を伺い、「店舗まるごとリース」を活用した柔軟な経営戦略の中身に迫りました。
プロフィール

株式会社 NORA
代表取締役社長 広江一也
東京の人気サロンで約10年修業。2007年に青山で6席の「NORA」を開業し、独自の教育型サロンを確立。人材起点のオリジナル出店哲学「ジャンプ理論」とキャッシュフロー重視のリース活用で、国内10店舗・フィリピン3店舗を展開。
次々と人気キャラクターが登場する少年ジャンプのような会社をつくりたい
「NORA」のコンセプトを教えてください。
広江様:当社は2007年に1号店をオープンし、19年目を迎えました。国内に10店舗、海外にはフィリピンに3店舗を展開しており、タイ・バンコクにも1店舗オープンを予定です。新卒採用したスタッフを2年半かけて育成し、多くの人材をスタイリストデビューへと導いてきました。
最近では、メンズ特化や縮毛矯正、髪質改善など、特化型サロンが目立っています。特化型サロンは技術の習得が早く、それに伴い投資回収も早くなるので、売上も立てやすいでしょう。ただ、私たちはそうした特化型ではなく、セレクトショップのようなサロンを目指しています。
いろいろなブランド(技術者)が集まり、お互いに刺激を受けながら成長できる場をつくりたい。私は少年ジャンプが好きなので、ジャンプみたいな会社にしたいと思っています。『ドラゴンボール』も『ワンピース』も『鬼滅の刃』もあって、それぞれが違うカラーで人気を集めている。そして、どの時代にも看板漫画が出てくる。我々も同じように、トレンドが変わっても、次のスターを育てられるサロンでありたいです。
出店戦略の起点は“人材” カルチャーに合う街を選び、舞台を整える
どのような出店戦略で拡大してきましたか?
広江様:私たちの出店戦略は「人ありき」です。売上目標や店舗数を達成することが目的ではなく、スタッフが育ったタイミングで、その人が最も輝ける環境を整えるために店舗をつくってきました。だからこそ、出店の起点はマーケットではなく人材です。
たとえば、古着好きで個性的なスタイルを発信しているスタッフがいれば、その世界観に合う街として下北沢を選びます。サーフカルチャーが好きなスタッフなら、鎌倉のような街を選ぶ。こうした「人と街のカルチャーの親和性」を大事に、出店エリアを決めています。
スタイリストが看板として活躍している間に、その背中を見て次世代のスター候補が育つ。この新陳代謝を自然に、そして継続的に回していける組織づくりと出店計画を一体で考えています。才能あるスタッフが長く活躍できる環境を用意するために、店舗を出店しているというわけです。

コロナ禍での出店が加速した理由は?
広江様:コロナ禍の第一波が直撃した頃、多くの美容室が営業停止や採用中止を余儀なくされました。そんな中、私たちは「美容は生活に必要不可欠な仕事」という政府の見解に従い、営業を続けることを決断。「こんな状況で営業を続けるなんておかしい」という批判の声や、スタッフからの不安もありました。「うちは閉めないんですか?」と尋ねられることも。それでも営業する以上、一人ひとりが安心して判断できる環境を整えることを最優先にしたんです。この判断が転機となり、他のサロンが休業する中で新規のお客様がNORAに流れました。
滝田様:ちょうどその頃、空き物件も増え、不動産価格も下がり、好条件で物件を取得できるチャンスが広がったんです。出店を加速できたことで、スタッフの離職率も低下。育ったスタイリストが社内に残って次の店舗展開を担う理想的な循環が生まれています。
広江様:常識に縛られない逆張りの姿勢や、チャンスを逃さないことも大事だと実感しています。
「店舗まるごとリース」を活用する真の狙い
「店舗まるごとリース」はどのように活用していますか?
滝田様:銀座店の出店時、内装や保証金を含めると本来は4,000万円近い初期投資が必要でしたが、店舗まるごとリースを活用したことで400万円程度に抑えることができました。残りの3,500万円以上は、そのままキャッシュとして温存できたんです。
そのキャッシュは採用や広告、人材育成など、「人への投資」に充てています。美容室は人がいなければ成り立ちません。これは、私たちの経営スタイルに合っています。
実際に出店数が増えるにつれ、店舗責任者を目指すスタッフも増えてきました。しかし、箱が足りなければチャンスの場を提供できず、離職につながりかねません。店舗まるごとリースのおかげで柔軟に出店できるようになり、悩みは解消されました。渋谷や大阪の店舗でも活用しており、全額リースでまかなうケースもあれば、保証金のみリースにして内装は自己資金で賄うなど、状況に応じて使い分けています。

なぜリースで融資が有利になるのか?金融機関が見るポイント
手元にキャッシュがあると追加の資金調達がしやすくなるのでしょうか?
滝田様:銀行が一番重視するのは「返済能力」、つまり手元の現金があるかどうかです。たとえば、出店に4,000万円かけて全額現金で払ってしまうと、キャッシュがゼロになりますよね。
でも、「店舗まるごとリース」を使って初期費用を400万円に抑え、3,600万円を手元に残しておけば、銀行は「この会社は健全だ」「返済原資も十分ある」と判断し、むしろ「追加で借りませんか?」と提案してくるほどです。
リースを活用し固定資産を借りる形を取りながら、キャッシュを残しておくことで融資の審査が格段に通りやすくなるんですよ。
NORAが物件と内装に妥協しない理由を教えてください。
広江様:今の時代、店舗は髪を切る場所であると同時に、SNSで「ブランドの世界観」を発信するメディアでもあります。だからこそ、内装や立地といったハード面は、採用や集客にも直結するんです。優秀な人材ほど「どんな空間で働くか」「どのブランドに所属しているか」を重視します。
しかし、出店が重なると一店舗あたりに投資できる資金は限られます。そこで「店舗まるごとリース」を活用すれば、ビューティガレージ(プライム上場)のグループ会社である「BGパートナーズ」の与信を借りて良い物件を選べますし、内装や設備の初期投資を抑えられます。
どれだけ素晴らしい店舗をつくっても、人がいなければ意味がないですし、人材教育には時間もお金もかかります。だからこそ、キャッシュを守り、運用できる体制が不可欠。「人に投資し続けられる余裕」を経営に残しておくこと。それが、ブランドを持続的に成長させるために欠かせない視点なんです。

一店舗目こそ、リースを使うべき
これから起業する人が「店舗まるごとリース」を使うメリットを教えてください。
広江様:私が最初に独立した当時は「店舗まるごとリース」なんて便利な仕組みはなく、すべて手持ち資金と日本政策金融公庫などからの借り入れで店舗をつくりました。
物件契約や内装費などに資金を大きく割かれ、採用や広告、人材育成に回す余裕がなかった。今振り返ると、一番投資すべきだったのは「人」だったと痛感しています。
その点、「店舗まるごとリース」なら本来数千万円かかる初期投資を大幅に抑えられます。物件や内装にキャッシュを縛られずに済む分、採用や広告、人材育成、ブランドづくりといった未来への投資に資金を回せるんです。
しかも、今のように時代の変化が激しい時期は、予期せぬ事態が起こるリスクも高い。そんなとき、資金に余裕があることがリスクヘッジになります。だから、「店舗まるごとリース」がある今の時代は本当に恵まれていると感じますね。
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